暴風時の避難方法は2通りあります。自宅の場合は外出しないこと、外出中は帰宅しないことです。建物の外にいることが危険なので、外出先から無理に帰宅しないことが防災につながります。
暴風警報が出たら避難するべきか?
外出中に暴風警報が出たら、移動を控えます。学校や会社にいるときに暴風警報が発令されたら、決して帰ろうとせず、建物の中にいましょう。屋外に出れば、空き缶やプラスティックの看板などが飛んでくる可能性があり危険です。
電車通勤・通学なら、駅ビルのあるような大きな駅で降りましょう。暴風警報が出ると、駅ではない場所で数時間電車内に閉じ込められてしまう場合があります。何一つできないばかりか、トイレにすらいけなくなります。
吹きさらしの小さな駅ではなく、駅ビルのあるような大きめの駅で降りて、食料と飲料だけは買っておきましょう。
始発の新幹線内で暴風警報解除を待つのは無意味
電車の中に閉じ込められることが最大の危険です。とにかく降りましょう。また、東京駅の新幹線で、指定席に座ったまま一夜を明かす人を見かけますが、体力を消耗するだけでメリットはありません。
動き出すまでの数時間、狭い座席に座るよりも、駅ビルのソファーでのんびり待つほうが安心かつ体に優しい避難方法です。指定席を放棄しても、新幹線なら自由席に乗ることができます。
電車移動中に暴風警報が出たらすぐにすべきことは
電車移動中に暴風警報が発令されたら次のような行動を取りましょう。
- 大きな駅で電車を降りる
- 飲料と食料を買う
- 駅ビルの中に入る
- トイレそばのソファーなどを探す
- 貴重品をコインロッカーに入れる
- 帰宅困難者になったことを職場に伝えておく
- スマホを満充電にしておく
上記の方法の他に、次の駅ですぐに降りて、ネットカフェの中で避難する、喫茶店の中で食事を取りながら避難する方法もおすすめです。大型台風による暴風警報なら、シャワー付きのネットカフェが安心かつ飲食料が手に入るので便利です。
暴風で起こる被害はどんなものがあるか?
暴風被害の代表例といえば「飛散物によるケガ」です。飛んでくるものは、空き缶からビニール傘、プレハブ屋根、瓦屋根、建設現場のポール、植木鉢など。暴風に揺さぶられた電柱が信号待ちのスクーターに向かって折れ、運転者が重症となった例もあります。
高速道路では、横風を受けやすい大型トラックが暴風に押され、横車線の普通車を巻き込んで横転する、道路標識が暴風の圧力に負けて折れ曲がるといった直接的な被害があります。
一般道では暴風で折れた街路樹が電線を引きちぎり、一体を停電させることが少なくありません。一体が停電するため、近隣のコンビニやスーパー、レストランが営業不能になるだけでなく、そもそも道路信号も消えてしまうため、交通事故や渋滞が発生します。
電線が切れて道に垂れているがどうしたらいいか?
切れている電線には面白半分で近づかないようにしましょう。電線は電柱についている変圧器までは、ある程度の高圧電流が流れています。家庭の100Vでも体が吹き飛ぶほどの衝撃がありますが、電線に流れている電圧に人体が触れると吹き飛ぶだけでは済みません。
また、電線は相当な重さがあります。暴風によってムチのように暴れだすと、骨折を伴うほどの強さで強打されることがあります。
電線が切れていたり、暴風で折れた樹木が電線にもたれかかっているときは、あなたの地域の大手電力会社へすぐに連絡しましょう。電線そのものが危険であること、感電の恐れがあること、電気火災のおそれがあることを知っておいてください。
何より、一体の停電復旧を早めるためにも早急な連絡が必要です。
大手電力10社一覧
災害対応は新電力ではなく従来からの電力会社へ通報します。以下、大手電力10社のトップページリンクを一覧で掲載します。通報だけでなく、停電情報も見ることができるので、ご自身のエリアを管轄する電力会社のサイトはブックマークしておきましょう。
また、旅行先で災害に遭ったときは、下記の一覧から対象の電力会社へアクセスしてください。復旧の見通しや停電範囲の情報を見ることができます。
暴風時は外出しないことが鉄則です。電気火災が発生しそうにない場合は、自宅内で避難するようにしてください。
車で避難していいのか?
車での避難は安全で大量に運搬できる反面、道路が通行不能となっているときは乗り捨てる覚悟が必要になります。車での避難を想定している人は避難先を確定しておきましょう。具体的には次のとおりです。
- 避難所の決定
- 避難する道路の決定
- 持ってゆく荷物の決定
- ルーフボックスは台風の前に外しておく
- 台風直前にはガソリンを満タンにしておく
暴風時は、10tトラックすら横転することがあります。暴風に煽られて運転が困難になることは認識した上で、上記リストのように事前準備を十分にしているなら、車避難には大きなメリットがあります。
暴風時は自宅にいるほうが危険なのか?
暴風時は自宅であっても危険ですが、最も危険なのは「外出すること」です。無理に帰宅しようとする、避難所へ向かってしまうことが暴風という災害に対しては良くない行動です。
窓ガラスには養生テープ(剥がしやすく耐水性があるため)を貼っておきましょう。余裕があれば、隙間風が入ってくるところも養生テープで塞(ふさ)いでください。
隙間風が相当強く吹き込むと、場合によっては屋根の一部が吹き飛ぶ可能性があります。
避難所での暮らしにについては避難所生活ノウハウのページを参照ください。