地震に対する防災のヒント

地震に対する防災のヒント

地震は台風とは違い、突然襲ってきます。直前に準備することができない以上、地震が発生したときに役立つ知識を身につけておくことが防災の備えに繋がります。

地震に対する防災のヒント

この記事では、予測不能な地震の発生前に知っておくべき知識の総まとめと事前準備についてお伝えします。

目次

地震では火事が発生しやすい

地震では、ガスコンロにかけていたフライパンの油に火が引火したり、コンセントがショートして電気火災が発生します。阪神淡路大震災では、地震直後から火災が同時多発的に発生しました。東日本大震災では、皮肉にも津波によって火災が抑制されました。

地震では火災になりやすい
まずは火を止めましょう

地震発生後、避難所に向かう前にはガスの元栓を締めておくこと、ブレーカーで電源を落としておくと火災が発生しづらくなります。

最近は、地震時に火を消さなくても良いという誤った情報が出回っています。「消さなくていい」のではなく「消せるなら消した方が良いが、最優先ではない」という意味です。

調理中に地震が来たなら消してから逃げたほうがもちろんいいのです。別記事でも紹介していますが、ガスコンロならば震度5以上の場合は自動でガスが止まります。

しかし、今すぐ止めることで、油への引火を避けることができます。火を止めるために危険な行動をする必要はありませんが、できるなら火を止めましょう。

地震では断水・ガス漏れ・停電も起こる

地震が発生すると、地中に埋まっている水道管(上下水道)、ガス管が損傷します。上水道が破裂することで、一帯の水道が使えなくなり、断水状態となります。ガス管も損傷するとガス漏れが発生し、ガス爆発が起こります。

また、電柱の倒壊や地中の電線なども破壊されるので、停電が起こります。停電が起こると、水道を受水槽にためてポンプで送水しているマンションやビルなどは受水槽の水があっても停電が解消しない限り断水状態が続きます。

もしも停電が浄水場(水を作る場所)で発生すれば、電力で濾過(ろか。水をきれいにすること)できなくなるため、水道水そのものが作れなくなります。また、各家庭への送水ポンプも止まるので、結果的にまち全体が断水になるのです。

こうなると、被災しなかった近隣市や都道府県からの給水応援がなければ生活できません。給水応援を確実に受けるには、避難所への避難が最適です。自宅を離れられない場合は、いつ給水車が自宅の近くまで来るのか覚えておき、忘れずに給水車から水をもらいましょう。

キャンプ用の給水タンク
キャンプ用の給水タンクが便利

水をもらうには、給水タンク(キャンプ用品でよく見るもの)が便利ですが、ないときは未使用の灯油タンクや空のペットボトルなどでももらえます。取っ手のついている4リットルくらいの焼酎ペットボトルも重宝します。

無料で給水バッグがもらえる
ほとんどの自治体で用意されている無料の給水バッグ。数に限りはあります。

給水用の入れ物がないときは、給水活動している職員に入れ物がないことを伝えてください。災害救援用の無料給水袋がもらえます。

地震では道路が破断する(救急車消防車が優先)

地震では、アスファルト道路はひび割れるだけでなく、めくり上がったり陥没します。マンホールも浮上するため、車高の低い車では通行が困難になります。

特に、国道は災害支援物資の運搬や、消防車、救急車、自衛隊の車両を優先して通行させるため、一般車両は通行規制がかけられます。

阪神淡路大震災のとき、営業車で神戸へ移動するとき、国道2号線は一般車両の侵入が禁止となり、海沿いの国道43号線を使っていました。山側の県道も通行可能でしたが、倒壊した一般家屋が多数あり、有馬温泉経由で大阪から神戸を往復していました。

道路が破断しているため、地中にある水道管があちらこちらで噴水のように水を吹き出しています。吹き出している水は、基本的に上水道ですので、最悪の場合は生活用水に利用可能です。

道路だけでなく、電車も数週間は運行されなくなります。特に、線路が高架になっている所などの通行にも注意が必要です。線路の敷石が落ちてくることがあります。

地震による電車の脱線
電車も数ヶ月運行されないこともある

停電で信号機も消えている

停電は一般家庭だけでなく、すべての送電が止まります。信号機や街灯も消えているため、夜は真っ暗になります。被災時は夜の移動を避けて、日中の明るい時間だけ移動しましょう。真っ暗な道路は足元が見えないため、非常に危険です。

停電で消えているLED信号機
停電で消えたLED信号機。交通量の多い場所では非常に危険。交通整理の警察官の到着まで無理をせず路上駐車します。

移動は自転車が最適

道路が破断するため、車高の低い車はもちろん、スクーターですら通行不可能な場所があります。荒れた道路を移動するのは徒歩が確実ですが、機動力や運搬能力を考えると、新聞配達に使われるスーパーカブのようなタイヤの大きいバイクや、自転車が能力を発揮します。

特に、モトクロスバイクや自転車が最適ですが、一般的な自転車も持ち上げる事ができることも有利といえます。ただし、電動自転車は思い上にバッテリー切れになると乗り捨てるしかなくなりますのでおすすめできません。

余裕があるなら、荷台を付けたマウンテンバイクを1台持っておくと安心です。

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