竜巻の防災知識

竜巻の防災知識

竜巻は、空気の渦によって空へ向かって吸い上げられる災害です。局地的な暴風とも言えますが、竜巻そのものが移動するため、避難が困難な災害です。

多くは大陸系の国で見られますが、令和時代に入ってから日本でも関東圏などで頻発しています。

竜巻の防災知識
竜巻は短時間で発生し移動するため避難が困難
目次

竜巻はどうして発生するのか?

竜巻は、非常に発達した積乱雲によって地上の小さな風の渦巻が上昇気流によって空に向かって引き伸ばされて発生します。引き伸ばされると細くなり、気流の回転が早くなることで竜巻になります。

非常に発達した積乱雲があることが主な条件なので、夏に発生することが多い災害です。

竜巻は威力を増しながら移動するため、早めに気づくことが防災のポイントです。

竜巻発生の直前に起こる現象
  • 遠くに土煙が見える
  • 電線が不規則な揺れをしている
  • 急に黒い雲が近づいている
  • 地鳴りがする
  • 雷が起こる

竜巻の威力は10トントラックも倒す

竜巻の威力はニュースでも見かけたことがあると思います。高速道路で10トントラックが横転したり、トタン屋根や道路脇の看板が空高く舞い上がる光景は圧巻であり、人の力ではどうすることもできない自然の力を感じます。

橋や高速道路などの横風は10トントラックも横転する強風になる
高速道路などで横転が起きることも

10トントラックが横転するほどの威力でさまざまなものを吹き上げるのですから、普通車や軽自動車は真横に流されて脱輪したり歩道に乗り上げてしまうことがあります。

運転中に竜巻が見えたときは、車内だからと安心せず、道路脇にハザードランプをつけて停車します。カーブを走行したり歩道に乗り上げると車の下に暴風が入り込み、浮き上がる原因になります。

竜巻が見えたら目の前の建物に入る

竜巻に気づいたら、とにかく頑丈な建物の中に避難しましょう。入ったことのない会社のビルでも、普段は縁のない公民館でもかまいません。コンクリート造りの建物がおすすめです。

目の前にあるからと言って、空き家の木造家屋や農業小屋などは危険です。建物の下部には空気の取り入れ口があるため、一気に強風が入り込むと屋根を吹き飛ばすほどの威力があります。

建物の外壁などで横風だけを避けようとしないでください。巻き上げられた自転車や折れたカサなどが、壁に沿って飛んでくる場合があり非常に危険です。必ず建物の中、出入口や窓から離れた場所にいてください。

竜巻に気づいたら、コンクリート造りの建物に避難することだけを考えて走ってください。

竜巻が見えたら目の前のビルに入る
竜巻が見えたらすぐそばのビルなどに避難する

看板や掲示板、工事現場などのそばから離れる

竜巻は局地的な暴風です。看板や掲示板は軽々と空に吸い上げられます。工事現場では防音シートが風を受け、足場や建設資材ごと巻き上がってしまいます。

看板などの建築付随物は、法令の基準に従って少々の暴風には耐えるように設置されていますが、竜巻を想定していないため飛んでくるものだと思っておくことが安全です。

特に道路工事などの看板は仮置きなので危険です。台風接近時なら予測できるので、作業員が看板を寝かせておくことがありますが、竜巻は予測困難なため風を受ける状態のままであることが一般的です。

とにかく看板の近くにいるなら、すぐに離れてコンビニなどの建物内に避難してください。

傘や自転車は安全な場所に置いておく

自宅にいるときに竜巻が見えて、遠くにある間なら、自転車を倒しておき、カサは玄関に入れましょう。

シャッターも締めておきたい
シャッターも締めておきたい

さらに、家の中に竜巻の暴風が入らないように、すべての窓やドアを締めます。換気扇も止めておきましょう。窓は割れる可能性があるため、カーテンを閉めて窓から離れた場所で布団をかぶっておくなどの防御をします。

竜巻に乗って様々なものが窓を破って来る可能性があります。できるだけ窓のない部屋や廊下などに逃げ込んでください。

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