水害と地震では避難方法や防災グッズが異なります。水害を想定した防災の備えは、浸水エリアの把握が最優先です。防災グッズとしては浮力のあるものを取り出せるようにしておくことがポイントになります。
水害時の避難グッズとして必要なものは
水害時の避難グッズは、自宅避難と避難所への避難によって必要となる防災グッズが異なります。
必要なものは早めに買い揃えておきましょう。大型台風の接近時や、洪水災害後はホームセンターで品切れすることがあります。なにもないときの準備こそあなたの家族を守ります。
水害時に自宅避難するときの避難グッズ
自宅避難の場合は、衣食住に関わるものがすべて必要です。また、自家発電も困難であるため停電時の備えも必要になります。大型の避難グッズは早めに購入し、2階へ置いておきましょう。
水害の自宅避難で役立つ防災グッズは以下のものです。
- カップラーメン
- 飲料水
- 懐中電灯やランタン
- モバイルバッテリー
- ブルーシート(防水タイプ)
- カセットコンロ
- サランラップ
- 灯油タンク
- 浮き輪、ビニールボート
- エアーベッド
- 水タンク
- ビニール袋
- バケツ
- 新聞紙、トイレットペーパー
2階に避難すると水回りが使えなくなる家庭がほとんど。皿などはサランラップを巻いて、汚れたらラップだけ捨てましょう。洗う水が不要になります。
簡易トイレは、ビニール袋にちぎった新聞紙を入れ、バケツにかけて作ります。ホームセンターで大きめの手提げ袋を1パック買っておくことをおすすめします。
カセットコンロ、キャンプ用のバーナーは停電時もお湯を沸かすために必須です。
なにより、水道水を可能な限り2階へ運んでおきましょう。水道水は常温なら3日は衛生的に飲み続けることができます。浄水器の水は1日経ったら煮沸消毒が必要になるためおすすめしません。
水害時に避難所へ向かう際の避難グッズ
水害時の避難は、暴風雨の中を移動することになるため、できる限り不要な防災グッズを持たないことが重要です。濡れた体で避難所まで重い荷物を運ぶことは、避難後の体調にも関わる重要事項です。
避難所では、給水、給電、寝具、トイレ、食料が準備されています。必要のないものと割り切って、飲料水は500mlのペットボトルを家族分だけ持っていきましょう。
水害の避難所へ持参するべき避難グッズ
- 免許証やマイナンバーカード
- 健康保険証
- 病院で処方された薬
- コンタクト類
- 傘などの雨具
- タオル数枚
- 着替え(最小限)
- 耳栓かイヤホン
- スリッパ
- 筆記用具
- モバイルバッテリー
- 懐中電灯
避難所では、24時間電灯がついています。防犯目的と深夜にトイレに行ったりするためです。安心な反面、常時明るく避難者が動き回ります。耳栓をして着替えを顔にのせて眠る必要があります。詳細は避難所生活のコーナーで解説します。
水害時の避難方法の原則
水害時には、道路冠水が進むまでに避難します。泥水が道路を覆うため、倒木や道路側溝、外れているマンホールなどがすべて見えません。夜の避難となるとより一層危険になりますので、明るく道路冠水が進行する前に避難しましょう。
また、道路冠水している中を歩くのは非常に体力を消耗するだけでなく、乳幼児や高齢者を連れて避難するのは危険です。一人で歩ける幼児であっても、抱きかかえての避難となるためです。
可能な限り、道路冠水の進行具合を注視して避難のタイミングを逃さないようにしましょう。
暴風雨時にしてはならないこと
暴風雨の中で避難するときは、傘ではなくカッパを着用します。傘が風に煽(あお)られると転倒するだけでなく、他人に当たって加害者となる場合があります。傘は持参するだけにして、避難所に着くまでは使用しないようにしましょう。
暴風雨に自転車で避難しようとする人がいますが、風に押されて転倒する可能性が高いため、避けましょう。
その他、暴風雨時にしてはならないのは下記のとおりです。
- 河川の水位を直接見にゆく
- 波止場の高潮を直接見にゆく
- 農業用水路の板を抜きに行く
- 割れてしまった植木鉢の掃除
- 電車での移動
毎年、農業用の水路に差し込んである板を動かそうとして高齢者が流される事例が発生しています。仕事であっても、命を失っては家族を守ることはできません。ましてや、動画を撮影するために危険な場所へ向かうなどは決してしないようにしてください。
備えておくべき防災アイテム
水害時に備えて事前に入手しておきたい防災アイテムは、マリンスポーツと相性がいいアウトドアグッズです。夏場に海辺や湖畔の遊びをするご家庭なら、浸水被害対策アイテムとして活用できるものをいつでも取り出せるようにしておけば十分です。
- ライフジャケット
- ホイッスル
- ビニールボート
- ポリタンク
- 防水ブルーシート
ライフジャケットはホイッスル付きのものだと安心です。ビニールボートも安物で構いません、避難道具や子供だけでも乗せられれば十分です。ポリタンクを含め、キャンプや水遊びツールが防災グッズとして有効です。