火災に対する防災のヒント

火事に対する防災の備え

火災は燃えるものがあるから発生します。燃えるものを減らす、燃えないように工夫する、燃やされないように注意するといった事前の備えが火事を抑え込むヒントになります。

火事のとき、どうやって避難すればいいか家族に説明できますか?あなたが正しい避難方法を知ることで、周りの人の命が助かる可能性が高まります。

目次

出火原因になるものは?

出火原因になるものを減らしましょう。出火原因になりやすいのは次のようなものです。

3大出火原因(2022年統計)
  1. たき火
  2. タバコの不始末
  3. キッチンのコンロ

たき火が出火原因のトップ

自宅前やウッドデッキ、ベランダでバーベキューをする人が増えています。地方なら庭の枯れ葉を燃やすこともあるでしょう。火を扱うことは慎重でも、あと始末がおろそかになって火事を引き起こすことがほとんどです。

たき火が出火原因のトップ
近年のアウトドアブームで
バーベキューも出火原因に

バーベキューの炭は、水をかけるのではなく、バケツに水を張って中に入れるようにしましょう。入れている間にバーセキューセットを片付けるのがおすすめです。

バーベキュー後の炭は、少量の水をかけても表面が濡れるだけで、芯は燃えています。知らずに他のゴミと一緒に袋やダンボールなどに入れてしまい、発火することがあります。知らずに子どもが触ると大やけどします。

枯れ葉のたき火は、強風によって燃えたまま部屋の中や屋根にのり、延焼することがあります。場合によっては隣近所にまで燃えた枯れ葉が舞い上がることもあります。

また、田畑でわらを焼くことで土に栄養を加えたり、雑草の種を焼く「火入れ」も出火原因に上がります。火入れは周辺に燃えたワラの火の粉が散るだけでなく、大量の煙を発生させるため、広範囲に及ぶ迷惑行為になります。特に、住宅街では消防署の許可無く火入れをすることは禁じられています。

コールマンダブルバーナー
筆者愛用のダブルバーナー

わたしは、アウトドアの大ファンです。炭とガスバーナーは常備、いつでもどこでもバーベキューできます。しかし、小さい頃から防火活動をしていたことや、実家の仕事でたき火を良くした経験から炎の恐ろしさを知っています。楽しい時間も発火した瞬間から災害の想い出に変わります。ぜひ火を扱う場合は神経質なひとになってください。

タバコの不始末は出火原因の常連

電子タバコの登場によって、昭和時代に比べれば大幅に少なくなったタバコによる火災。しかし、常に出火原因の上位3位に入っています。

タバコの不始末は出火原因の常連
飲酒後の寝タバコは危険

喫煙者は「ながらタバコ」をせず、「タバコを楽しむ」ようにしてください。そして、確実に冷やしてしまうか、水につけます。もし火がついたとしても、濡れているなら簡単には出火しません。

寝タバコ、街やアウトドアでのポイ捨て、もみ消しただけのすいがらをゴミに入れないでください。放火に近い危険行為です、せめてあなただけでも絶対にしないようにしてください。タバコの火は、毎年で1,000件以上の火事を起こし、命を奪っています。

コンロも出火原因のトップ常連

出火原因として昔から言われている台所。火の神様の御札を貼ったりしている内も多いのではないでしょうか。江戸時代までは、火元と言えば「台所」「タバコ」「お風呂」がトップで、現在もほぼ同じと言えます。

キッチンが出火原因となる状況は、加熱しすぎ、または油をつかった料理をしているときに目を離す場合です。

コンロも出火原因のトップ常連
コンロが出火原因となるときは?
  1. 電話がなる
  2. 宅配便がくる
  3. 隣人との立ち話
  4. 子供や高齢者のケガ
  5. ガス火の消し忘れ

意外と多いのは「ガス火の消し忘れ」です。消したはずと思っているので、炎が上がっても原因がわからずパニックになる人がいます。特に年齢層に関わらず、若い人でも発生します。

出かける前、就寝前、入浴前はもちろん、宅急便や電話の対応など、常に火を止める習慣をつけておきます。調理中に立ちくらみを起こしただけで火災を起こした事例もあります。できる限り数秒でも不要なときは火を意識的にに止めましょう。

ストーブ前の洗濯物が想い出も消し去る

冬に洗濯物を石油ストーブのそばで乾かしていませんか?洗濯物が乾いてくると、簡単にハンガーから落ちたり、加熱されて発火します。カーテンに燃え移ることもあります。

ストーブ前の洗濯物が想い出も消し去る
石油ストーブだけでなく電気ストーブも注意

ストーブは天板でお湯を沸かすことができ室内加湿器、お茶のお湯に使うなどメリットがたくさんあります。また、建物そのものを温めるので、ファンヒーターやエアコンよりも一般家庭では根強い人気です。

しかし、洗濯物やカーテンが接触することで火災が発生したり、天板で油ものの調理をしたり、ストーブそのものが倒れることで広がった灯油に引火するなどの危険性もあります。

ストーブの周囲には、簡単に何かが触れないように工夫をした上で使用してください。火事が起これば、想い出のアルバムや自宅そのものが灰になってしまいます。

フライパンの油ですべてを失う

フライパンや天ぷらで油を使うときに注意するのは、決して見を離さないことの1点です。わざとワインを燃え上がらせるフランペという調理法がありますが、ワインのアルコールはすぐに燃え尽きるので火事には至りません。火事になるのは、油の加熱しすぎがほとんどです。

油火災は素人が消すのは困難

油を加熱しすぎると、黒い煙が立ち上がり始めます。しばらくすると、油がはじきあがり、一気に火を吹きます。飛び散った油にも火がついており、キッチン周りの燃えるものにも引火します。

油が飛び散ると近づくことはできないので、コンロの火を止めることもできなくなります。そのうち換気扇まで炎が伸びて、キッチン中が熱気につつまれます。こうなると冷静になれず、水をかけてしまう人がいます。

熱された油に水をかけると、水蒸気爆発のような現象になり、熱湯がキッチン中に飛び散ります。キッチン専用消火スプレーや消火器がないなら、119番通報をしながら避難してください。

コンセントのホコリすら家を全焼させる

コンセントのホコリが通電し、ショートして火事になるトラッキング現象。電気火災にはトラッキング現象だけでなく、コンセントの容量を超えた使用、スマホやモバイルバッテリーの過充電など、現代人がついついやってしまいそうな原因で発火します。

コンセントのホコリすら家を全焼させる

トラッキング現象対策はコンセント周りに掃除機をかけることです。過充電対策は、電源タップで一つ一つのコンセントごとにON・OFFできるものを使い、こまめにOFFにすることです。

放火させないためのひと手間

発火原因としては減少傾向ですが、放火は火災原因の上位にランクインします。防火させないためには、可燃ごみを前夜から出さないこと、バイクはカバーを掛けておくこと、人感センサーライトを設置することで大幅に防ぐことができます。

放火させないためのひと手間

放火の発生時間は、深夜や夕方が多い傾向があります。前の日にゴミを出さないようにしてください。深夜や夕方に放火が多いのは、わたしの推測ですが、仕事帰りと飲み屋の帰りにタバコの吸いがらをゴミのあるところへポイ捨てする人が多いからではないかと思っています。

街の美化活動に一番有効なのは、美化運動のカンバンを作ったり、小中学校で美化運動の標語コンクールをすることではありません。街からゴミをなくすことです。ゴミのある場所に吸い殻を捨てられてしまうのです。のはゴミを放置している人の罪でもあります。

ゴミ集積場所にタバコをポイ捨てする人は、道端に捨てるよりも良識があるかもしれません。しかし、バーベキューの炭と同様、タバコの火も後で発火することがあります。

また、意図的な放火対策として有効なノウハウは空き巣対策にも使えますので覚えといてください。

放火対策のヒント
  • 家の周りに燃えるものを置かない
  • 音がなる防犯専用の小石を敷く
  • ソーラータイプの人感ライトの設置

バイクなどは、防炎タイプのカバーを掛けておきましょう。カバーのないバイクは盗難被害のリスクも高くなります。

放火されないようにするにも、自宅の周りを掃除しておくこと、隠れる場所を作らないこと、人感センサーライトで侵入者を驚かせることなどの工夫が有効です。

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