避難所の生活(台風などの一時的な避難)

避難所の生活(台風などの一時的な避難)
目次

避難所での生活は一時的避難と長期的避難を別に考える

避難所の生活は、台風など一過性の一時避難と大規模災害による長期避難があります。

一時避難の場合は、一晩だけといったものから1日程度の避難となります。長期避難となると、数週間から1年以上となる場合もあるため、生活拠点としての考え方が必要です。

避難所の配給
避難所こそマナーを持った行動を

避難先は自治体の避難所に限らず、駅近くの大企業が開放する帰宅困難者向けスペースや、一般ホテルなども含めて幅広く検討します。

避難所の生活(台風などの一時的な避難)
避難先は避難所以外にも候補があります

公的な避難所の場所は複数確認しておく

自治体が開設する避難所は、学区などで避難先を割り当てています。

避難所を学区で分けるのは、大人なら選挙の投票所として体育館の場所を知っていること、子供なら通学で場所を知っているといった大きなメリットが有るためです。

また、避難所ごとにある備蓄品や避難スペースも限界があることから、避難者想定人数が3〜1周間程度生活できるように設定してあるためです。

もしも隣の学区の住民まで受け入れてしまうと、こちらの食料は尽きたけど、となりの避難所には余っているという非効率な状況を産んでしまいます。

避難所は1人あたり約1坪(たたみ2畳程度)を基準として、何人まで収容できるかが計算されており、市区町村の防災計画書に記載されています。

避難所の立地を考慮した災害別に逃げるべき避難所

原則として自宅から一番近い避難所を利用することで、全員が避難ができることとなっています。

しかし、現実は違います。

名古屋市の浸水ハザードマップ
筆者が住んでいた地域のハザードマップ(名古屋市)

避難所はスペースと収容人数、運営する職員の配置を考えると、学校が指定されやすくなっています。しかし、学校は避難するための建物ではなく、児童が通学しやすい場所に建っています。

必ずしも災害に強いエリアに学校(避難所)があるわけではないのです。

使えなくなる避難所の例
  • 地震:断層の真上の避難所
  • 浸水:河川そばの避難所
  • 土砂:山ぎわの避難所

ハザードマップを見てみましょう。

土砂災害警戒エリアや、浸水想定エリアに避難所がありませんか?

また、橋やアンダーパスを通らなければ避難所へ行けないというリスクはありませんか?

地震、台風は別々に避難する先を決めておきましょう。

避難所は災害別決めておくことが重要です。

避難所生活は知らない人たちとの共同生活

避難所では、体育館のように広大な一部屋1,000人以上の共同生活となります。おしゃべりを夜中まで続ける高齢者から、生まれたばかりの赤ちゃんまで、みんなで一部屋です。

避難所開設
著者が開設・運営した避難所はすべて学校の体育館だった

若者は深夜でもスマホで仲間とSNSを楽しみ、働き盛りのサラリーマンや自営業者は取引先へ納期の遅れなどの調整で電話し続けています。

そんな騒がしい一部屋の照明は、24時間ついています。

安眠はもちろん、想定以上の人たちがトイレに行列を作り、情報や食料品を求めて職員に詰め寄ります。

災害用マンホールトイレ
災害用マンホールトイレ

ほとんどの人が不安とあせりをもって、いつまで続くかわからない避難時間を過ごします。

快適でないことは確かです。共同生活である以上、お互いをいたわりあい、落ち着いた避難生活心がけるよう気をつけてましょう。

避難所には最低約3日分の備蓄食料がある

避難所には、原則として避難想定人数が3日間生活できるよう食料や飲料水が備蓄されています。

4日目からは、自衛隊など国の支援が届くという前提で防災計画はつくられています。

避難所には約3日分の備蓄食料がある
避難所には3日分の備蓄がある

4日目以降に国の支援が届かないと思うほどの大災害時に限っては、カップラーメンなどを持参します。

ただし基本的には、命を守ることが最優先です。避難所で快適に暮らすことは考えず、余裕のないときは手ぶらで避難所へ向かいます。

手ぶらで避難することを想定して、避難所には飲食料が備蓄されています。

ペットとの避難は食料必須

備蓄は、原則的に人だけです。赤ちゃんの粉ミルクや飲料水、紙おむつや生理用品などの消費財から、毛布や簡易ベッドなどの備蓄はあります。

しかし、ペットの食料品はありません。ペットと避難する場合は、キャリーケースだけでなく、ドッグフードなどの食料は持参必須です。

ペットとの避難は食料必須

また、ペットは人間のエリアには入れず、体育館などの玄関にペット避難エリアが設定される場合が一般的です。

更衣室などにペット避難エリアを設定することもありますが、基本的には授乳室体調不良者身体障害者専用として使うことがほとんど。ペットは、鳴き声やにおいが建物の外にでるよう、換気の良い玄関に設置すことが通常です。

ペットとの避難時には、必ずキャリーケースを持参しましょう。

ペットもストレスで弱ることが往々にしてあります。ペットと避難するときは、できれば車中泊をおすすめします。

処方されている薬は必ず持参する

病院で処方されている薬は絶対に忘れないようにしてください。一時的な避難であっても、処方薬がないままストレスを感じる生活をすれば体への負担は大きくなります。

災害時には病院や調剤薬局が機能できなくなる想定をして、数日分の処方薬は持参しましょう。

処方されている薬は必ず持参する
処方薬は災害時に入手できない

風邪薬や頭痛薬などは備蓄されている場合がありますが、1,000人規模の避難者全員が希望した場合までは想定していません。頭痛持ちの人はぜひ頭痛薬を持参してください。

避難所には使い捨てコンタクト持参
ワンデイのコンタクトレンズが便利

処方薬だけでなく、コンタクトなど自分専用でなければ使えないものも予備を含めて防災リュックに入れておくことが重要です。

まとめ〜一時的避難の場合は、必要最小限のものだけを持参する

一時的避難の場合、最大の目的は、自宅から無事に避難所へ到着することです。できる限り手荷物は少なくして、確実に避難所へ到着できるようにしましょう。

大量の食料や水分などは不要です。とにかく安全に避難所までたどり着けるようにしましょう。必要最低限の食料や水、毛布などは避難所に備蓄されています。

長くても2日程度の避難になりそうだと思ったときは、次のようなものだけ持って避難所へ向かってください。

  • スマホ
  • モバイルバッテリー
  • タオル
  • ポケットティッシュ
  • かさ
  • 処方薬
  • 小銭

これだけあれば、とりあえずなんとかなります。

特にスマホはSOS電話や避難情報のSNS閲覧ができるだけでなく、懐中電灯代わりになり、写真や動画を撮ることができます。

かさは、雨よけはもちろん、つえ代わりにもなりますので、台風時にはカッパを着ていても余裕があれば持っていってください。

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