雪崩の避難方法

雪崩の避難方法

雪崩が発生したら、とにかくすぐに真横へ移動します。可能なら、山の稜線を超えましょう。

雪崩は谷に向かって崩れ落ちるため、稜線を超えてくる可能性が低く、比較的安全です。

雪崩の回避
山の尾根に向かってすぐに移動します
目次

雪崩避難の原則は「横へ移動する」

雪崩は、頂上方向から山の麓(ふもと)に向かいます。台風や竜巻、火事のように予測不可能ではありません。雪崩から逃げるのは下でも上でもなく横方向の1択です。

雪崩の避難は真横に素早く移動することが大原則です。

スキー場等の場合、ゆるやかな谷にそって滑り降りるようにコースが作られています。コースの左右にはリフトや、コースから外れないように木が並んでいるのがわかると思います。

もしも背後で雪崩が発生したら、リフトか、林の方角へなるべく素早く移動しましょう。

移動し終わった先に、更に安全そうな場所を見つけたら迷わずさらに移動します。

雪崩がどうなるかを見ている時間はありません、さらに安全な場所を探して移動します。

雪崩が起こったら地面に伏せる、くぼみを目指して走る

表層雪崩の場合、200km/h以上の猛スピードで接近してきます。まさにあっという間に雪の波が何もかもの上に覆いかぶさります。

表層雪崩
表層雪崩はスピードが早い

表層雪崩の場合は軽いパウダースノーが一気に景色を覆い隠します。避難者はできるだけ地面に這いつくばり草や木の根を握って、流されないようにします。

全層雪崩の場合は石や木の枝などが雪に混ざっており、大変危険です。

全層雪崩
全層雪崩は破壊力がある

山小屋があればすぐに入りましょう、一番安全です。しかし、山小屋のそばで遭遇することは極稀です。くぼんでいる場所や大きな岩の麓がわ(下側)に入り込んで身を小さくして石などから身を守りましょう。

山の稜線から離れる

雪崩は、雪のかたまりが山を下ってきます。山の稜線が近くにあるなら、雪崩の起こっている反対側へすぐに移動します。

雪崩の避難方法
谷から反対側へ移動する

更に余裕があれば、山の稜線から遠ざかります。反対側で雪崩れたということは、こちらがわでも雪崩が発生する可能性があるためです。

雪崩が落ち着いている間に、できるだけ山小屋に近づき、下山しましょう。

川と逆方向へ走る

雪崩は重力に従って降りてきます。つまり、山の谷にある川へ向かう確率が高いと言えます。また、川のそばにいると、雪崩に流されて川に押されてしまう危険があります。

川がそばにあるときは、川と反対方向へ向かって走り、近くにある大きな岩などの裏などで身を守りましょう。

服のジッパーをすべて閉じて救助が待てる体制を取る
高齢者だけのチーム登山は無理をしないように

頭をリュックやスキー板などで守る

全層雪崩の場合、石や木の枝などが雪に混在しています。頭部を負傷した場合、救助を呼ぶこともできません。まずはをリュックやスキー板などで守ります。

また、雪は柔らかく軽いイメージがありますが、1トンの雪は、やはり1トン。屋根の雪下ろしで毎年のように悲しいニュースが流れます。雪は重く、体にかかれば冷たいだけでなく骨折の可能性もあります。

服のジッパーをすべて閉じて救助が待てる体制を取る

運良く浅い位置で雪に覆われた場合は、スマホで救助を要請できる可能性があります。必ずGPS機能をオンにしておき、モバイルバッテリーも身につけておきましょう。

船に乗るときにライフジャケット(救命胴囲)は必ず着なければなりません。入山者がGPS機能付きスマホとモバイルバッテリーを持参することも必要最低限の防災管理と考えてください。

スマホ1つで助かるときもある
入山中はGPS機能をオンに

救助には数時間から数日かかることが一般的です。まずは肌の露出を最小限にして、ジャンパーなどのジッパーはポケットも全て閉じておきましょう。

少しでも体温を温存し、意識を失わないようにしなければなりません。また、無理に動くと体力を消耗し、より一層深くまで埋もれることが考えられます。救助を信じて無理に動かず、雪を少しずつ口に含んで静かにして助かった人もいます。

上がどちらかもわからないほど埋まってしまったときは、ペットボトルの飲料を見るなどして判断します。

わたしは、ほんの2mほどですが雪にはまったことがあります。雪の中は上下がわからず、焦りを感じました。
真昼なのにほぼ真っ暗で、両手両足が動かなかったことを覚えています。結果、少しずつ上下がわかり、足元を踏み固めながら這い上がることができましたが、たまたま運が良かったと自戒しています。

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