土砂災害の基礎知識

土砂災害の基礎意識

土砂災害は、台風や線状降水帯による長時間の降雨で発生する災害で、がけ崩れ土石流地すべりに大別されます。

台風が通過した後も土砂災害警報だけが解除されないのは、山に降り注いだ雨が地中に浸透しており地表面が柔らかく、重くなっているため。晴天になっていても山の水が許容範囲を超えている間は目に見えない危険状態なのです。

土砂災害の基礎知識
土砂災害には3種類ある

この章では土砂災害についての基本的な知識をお伝えします。

目次

土砂災害警報の警戒レベルは4?

土砂災害警報は、警戒レベル3である大雨警報や洪水警報の後に発令される警戒レベル4の警報です。市区町村は避難指示を発令し、暴風が吹き荒れる前に避難を完了しておくべきとされています。

気象庁HPより引用

最高レベルである警戒レベル5は緊急安全確保が発令されるので、土砂災害警報がいかに危険な警報かがわかります。

なお、土砂災害警報が発令されるのは山が近いエリアに限られるため、事前にハザードマップであなたの自宅がエリア内に入っているかを確認しておけば、避難の要否判断は容易です。

土砂災害が起こりやすい場所とは

土砂災害発生エリアは、土砂災害ハザードマップで確認することができます。ハザードマップは数種類あるので土砂災害だけでなくその他のハザードマップも興味を持って読むようにしておきましょう。

土砂災害警報の意味がわからない
気象庁HPより引用

ハザードマップは市区町村が約5年ごとに更新し、全戸配布しています。最新の情報を知りたい場合は自治体のホームページからも見ることができるので「〇〇市 ハザードマップ」と検索して確認するようにしましょう。

特に、山間部に住んでいる方は避難経路が土砂崩れの頻発エリアになっていないかを確認しておく必要があります。土砂崩れによって避難所へ向かえない、孤立してしまうといった危険があるので、十分に避難する道路を検討しておきましょう。

土砂災害と大雨の関係とは?

土砂災害は大雨による地中の含水量が一定量を超えると発生しやすくなります。

都道府県が土砂災害警報を発令するのは、地中の含水量を想定した数値を基準にしているため、地中に浸透する水量と降雨雨量の差が大きいほど、早く、長時間土砂災害警報が発令されます。

土砂災害と雨の関係は?

土砂災害に被災しないためには、台風だけではなく線状降水帯など長期間の降雨時に、河川の水位に注意します。河川に流れ込む雨水が大量になるのは、地表を流れる雨水(表層水と言いいます)が多いだけでなく、土中の地下水が多すぎる状態であることが想像できます。

本来ならば土の摩擦で保たれている山の斜面が崩れだし、がけ崩れなどの土砂災害が発生するため河川の水位が土砂災害の前兆と考えることができます。

土砂災害の種類は

土砂災害は次の3つに大別されます。土砂災害の発生メカニズムによってさらに細分化されますが、いずれも地震に次ぐ大災害と言えます。

  • 土石流
  • がけ崩れ
  • 地すべり
土砂災害の種類
引用 日本気象協会HPより

土石流とは?

土石流は、大量の雨水とともに土砂が流れる状態の土砂災害です。山間から一気に街へ駆け下りてくる土石流は、気づいたときには逃げられない状態になっています。

地すべりとは?

地すべりは、地下水の溜まっている軟弱地盤に大量の雨水が浸透することで摩擦力が減り、比較的緩やかに下方へ移動する現象です。滑るように地面が移動するため、場合によっては家屋などはそのまま形状を保ったままになることがありますが、道路は断裂するため数週間孤立することもあります。

がけ崩れとは?

がけ崩れは、土砂災害の中で最も発生しやすく、家屋が押しつぶされやすい災害です。崖のそばに住んでいる方は土木事務所などに崖のコンクリート留めを要望しておくこことが最善の防災対策となります。

土砂災害時の自宅は安全なのか

土砂災害時の自宅避難は危険です。土砂災害警戒区域に住んでいる場合、大雨警報(警戒レベル3)の発生とともに、可能な限り家財を車に積んで避難所に向かいましょう。

土砂災害警報が発令されたら、すぐに避難所へ向かいます。この場合の「すぐ」とは、仕事に遅刻しそうなくらいの急ぎ具合です。決して「なるべく早く」といった感覚ではありません。

避難所までの道路が断絶したり、がけ崩れで通行不能になる前に移動しなければなりません。一度、通行不能になった道路は、自衛隊ですら救出が困難になる場合があります。

助けられなくなる前に、自分自身で危険エリアから脱出しましょう。

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