都市型浸水(内水氾濫)とは?

都市型浸水(内水氾濫)とは?

都市型浸水とは内水(ないすい)氾濫ともよばれ、道路側溝や下水管から水が溢れ出てくる浸水を言います。河川の堤防決壊による洪水は外水(がいすい)氾濫とよばれます。都市型浸水の洪水はゆっくり進行するため避難の判断が難しい災害です。

都市型浸水(内水氾濫)とは?
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内水氾濫(ないすいはんらん)

都市型浸水(内水氾濫)河川氾濫(外水氾濫)とは異なり、豪雨による道路冠水や用水路が溢れ出すといった現象から始まります。特に道路冠水はゆっくりと危険性が高まるため、避難勧告が出てから準備しているようでは避難所へ向かえない場合があります。

内水氾濫(ないすいはんらん)

内水氾濫は、下水からあふれ出した雨水が道路を水浸しにする道路冠水からはじまり、ゆっくりと避難しづらい状況になります。自宅で様子を見ているうちに床上浸水、床下浸水と進行し、ついには1階部分が浸水、救助を待つほかないという危険な状態になります。早期に避難所へ向かう決断をしなければなりません。

地下街の洪水

地下街には基本的に排水ポンプが設置されていますが、集中豪雨など大量の雨水には対応しきれないのが現状です。

有名なものでは、2000年の東海豪雨や2003年の福岡豪雨などで地下街が浸水、階段が泥水の川のようになったことが知られています。

地下街の洪水

ゲリラ豪雨の情報があったときは、なるべく地上階に移動しましょう。

可能であれば、駅ビルの2階以上で、ソファーなどに座っておきましょう。帰宅困難になった場合、ソファーに持たれて寝ることができます。

外水氾濫(がいすいはんらん)

河川堤防の決壊や越水(えっすい)などによって、一気に広範囲へ河川の水が流れ出す洪水です。大きな川のそばで暮らしている場合は、河川の水位情報がいつでも手に入るようにしておきます。

外水氾濫(がいすいはんらん)

河川の水位情報は、国土交通省や土木事務所のホームページで常時公表されています。ライブカメラ映像の配信をしている場合もありますので、ブックマークしておくことをおすすめします。
《参考》国土交通省 川の防災情報

また、興味本位で堤防へ川の水位を見に行ったりせず、万が一に備えて避難準備をしておきましょう。

《関連記事》河川氾濫(外水氾濫)

浸水ハザードマップの使い方は?

浸水ハザードマップ(洪水ハザードマップ)には、内水氾濫時(都市型浸水)と外水氾濫時(河川氾濫時)に、あなたの町のどこで何メートルの浸水が起こるかが書かれています。自宅だけでなく、避難所までの道路や、浸水しないエリアを把握することが浸水ハザードマップの使い方です。

市町村などは、内水や外水による洪水をシミューレーションした浸水ハザードマップという冊子を約5年ごとに作成し、全戸配布しています。あなたの家にもあるはずですが、もし手元になければ市役所などのホームページで確認しておきましょう。

浸水ハザードマップには、内水氾濫の場合と外水氾濫の場合の2種類がシミュレーションされています。河川の堤防が決壊したときの水深は、都市型浸水よりも深くなります。

あなたの自宅エリアで、想定水深が2階を超えるようなら自宅避難は危険です。すぐ近くの高いマンションや、大きな立体駐車場があるショッピングモール、もしくは浸水ハザードマップで浸水しないとわかっている地点を確認しておき、河川が危険水域になったときは決めておいた避難場所にできるだけ早く避難しましょう。

反面、自宅の浸水予想がほぼないようなら、自宅避難が可能です。念のため、床上浸水に備えて1階に置いている食材や家電製品、寝具やペットのトイレなどを2階へ上げておきましょう。

土砂災害との関連性は?

土砂災害は、豪雨による地中の含水量によって危険性が増します。地面は、ちいさな穴の空いたコップのような状態で、通常の雨ならばたまらずにゆっくりと地中に水が染み込んでいきます。

しかし、ゲリラ豪雨や線状降水帯による長雨が発生すると、地中に染み込む量を超えた雨水が降り注ぐため、溢れかえり地盤が弱くなるのです。

土砂災害との関連性は?

土砂災害警報が大雨暴風警報の解除後まで長く続くのは、地中に一定以上の雨水が引いていくためで、基準値を下回ったとき初めて土砂災害警報が解除される仕組みになっています。

基本的には樹木がない山肌や、新興住宅地で盛り土されているエリアは要注意です。新興住宅地の場合は基本的にコンクリートの柱を地中深くまで作る地盤改良がされているため、昔ながらの山際にある日本家屋よりは安全性が確保されています。

都市型浸水の危険性は?

都市型浸水は、あなたの住むエリアの地形や用水路の排水能力によっては急激に道路冠水を起こします。都市型浸水の危険性は、道路冠水が進行することで避難のタイミングを逃してしまうことです。

最新でない雨水用のマンホールはロック機能がないため、集中豪雨による急激な降雨が山側から流れ込み、空気を圧縮してマンホールを吹き飛ばしてしまうことがあります。

道路が冠水すると、具体的には次のような危険があります。

  • 徒歩で避難する場合、一体が水面なので、用水路やマンホールに気づかず落ちる
  • 車で避難する場合、エンジンの給気口から水が入りエンジンが固着、完全に動かなくなる
  • 電気自動車の場合、漏電してヒューズが飛び、完全に動かなくなる

避難の必要性を感じたら、道路冠水が始まるまでに内水浸水想定エリアから外へ避難しましょう。やむを得ず冠水している道路を避難する場合は、マンホールがなさそうな部分を歩くように注意しましょう。

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