土砂災害に対する防災のヒント

土砂災害の基礎意識

土砂災害の防災は、土砂災害危険エリアを把握することに尽きます。暴風や大雨のように自宅避難ができる災害ではなく、地震噴火のように、危険エリアから素早く離れることが最大の防災行動です。

土砂災害に対する防災のヒント
土砂災害の避難は車が適切かは要検討
目次

土砂災害警報が出たらするべきことはなにか?

土砂災害警報が出たら、まずは車避難が可能かどうかの判断をします。車避難が可能であれば、避難グッズとともに、可能な限り食料を車に積み込みましょう。

土砂災害警報が出たらするべきことはなにか?
車避難では通行できない可能性があるデメリットに注意

避難所に到着できたとしても道路が通行不能となると、避難所そのものが孤立する可能性があります。避難所の備蓄が尽きると資機材を含め、何一つ支援物資は届かなくなります。

自衛隊すら超えられないときは陸の孤島となり、手元にあるものだけで生き抜かなければなりません。

可能な限り食料を車に積み込み、最悪の場合は1週間以上の車中泊ができるようにしましょう。

山手の高齢者が住む集落などで、橋が崩落する土砂災害が発生すると救助が困難になります。

救助するための通路がない上に、ヘリが降りることができません。救助者の健康状態も良くないことが多く、自力での脱出は不可能になります。できれば地域の防災組合などで、早めに橋を渡ってしまって避難所へ向かうようにしてください。

わたしの知人が対応した土砂災害がまさにこの状況となり、自衛隊も引き戻すほどの山道を越えていったと言っていました。仮の橋が架かるまで、実に2週間。陸の孤島へは、道なき道を市役所職員が運んだそうです。

土砂崩れが発生したらどうすればいいか?

土砂崩れが発生したら、さらなるがけ崩れの可能性があります。また、地すべりや土石流の可能性が高まります。まず脱出可能であれば、ハザードマップ上でより安全な方角へ避難します。

ハザードマップの意味

もしも自宅の一部が土砂に押しつぶされてしまった場合は、自宅からすぐに出て、安全なエリアまで避難しましょう。新興住宅街等の場合は、古い隣の町まで逃げましょう。

古い町ならば地盤が安定している可能性がありますが、新興住宅地の場合は地すべりの可能性があります。がけ崩れが落ち着いたからといって、その場にいてはいけません

お寺や神社なども古くから地盤の良い場所に建立されていることが多いので、避難所まで距離があるときは近くの寺社に向かいましょう。

リフォーム予定がある、何か土砂崩れへの対策がないか

土砂崩れに対応できる建築物はありません。もしも裏山が近い場合などは、リフォームするより安全なエリアに引っ越ししてしまうことをおすすめします。

どうしても引っ越しができない事情があるときは、完全に建て替えてしまうことをおすすめします。建て替えの際には、地中にコンクリートの柱を作る工事(薬液注入工法などといいます)をして、地盤改良をしてから建て替えましょう。

新興住宅地もこのように地盤改良をしてから建売建築物を販売していますので、何もしない土地に建て替えるより安全になります。

裏山の崖が危険な場合

自宅の裏が山に近いときは、山肌そのものにコンクリート壁を作ることで比較的安全になります。裏山が私有地でない場合は、都道府県の土木事務所に要望すれば、自己負担なくコンクリートで固めてもらえる場合があります。

裏山の崖が危険な場合

土木事務所の施工ならば、山水の排水などまで計算して設計、施工が期待できますので、一部負担になったとしても自分で発注するより安全性は格段に高まります。

まずはあなたが住んでいる都道府県のホームページなどから問い合わせてみましょう。自治会単位で都道府県議員に要望書を出すことも有効に働く場合があります。

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