防災的な保険の見直し基礎知識

火災保険や傷害保険は自然災害では保険金が出ない場合があります。

火災保険さえあればいくらかは保険金が出ると思いがちですが少し以前にかけたままの火災保険だけでは、地震、津波、噴火による被害では保険金は出ません。

いま地震で家屋が倒壊したり、自分が骨折したら保険金を受け取れますか？

毎月払っているだけで安心しているなら危険信号です。

ネット通販保険が発達している現在、安易に「支払える金額」を基準にして保険に加入しがちです。

保険代理店の設置や人件費の削減で安くなっているだけでなく、基本的に保証内容の一部が特約になっていたり、保証内容が小さくなっていることがあります。

たとえば、自動車保険をネット通販型で加入しているとき、車両保険が外れていても気づかないままの人がいます。車両保険がついていない自動車保険では、自宅の火災を除いて自然災害での保証がほぼありません。

ついつい後回しになりがちですが、今すぐにでも保険契約の内容を確認しておきましょう。

1. 火災保険の確認
2. 地震保険の確認(年末調整)
3. 自動車任意保険の確認
4. 傷害保険の防災的見直し

防災的な火災保険の確認

火災保険は、自宅の火事による損害に対して保険金が支払われます。しかし、火災被害であっても対象外となるものもあります。

原則として地震は対象になりませんので、特約しているかどうかの確認がポイントとなります。

自宅の火災は補償されますが、隣家は補償できません。隣家を補償したい場合は、特約(オプション)契約しなければなりません。

逆に、火災保険では水害(浸水被害)が保証されるのが一般的です。大雪によるものも対象となることがほとんどです。ただし、安い火災保険の場合は、純粋に火災保険のみの契約となっている場合があるため、一度確認してください。

隣家からの延焼、火事による電化製品の消失…なにがどこまで補償されているのか確認し、必要ならば見直ししして、自分で特約をつけなければなりません。

防災的な地震保険の確認（年末調整対象）

地震保険は、火災保険のオプション（特約）でなければ加入できません。あなたの火災保険に地震特約がついているか確認しましょう。

また、地震保険は住宅と家財(家具や家電製品など)は別の契約となっています。地震で家財が被害にあっても、保険金がいくらかは出るだろうと思っていると保証対象外となっていることが通常です。家財特約があるか確認しましょう。

早い生活再建を考えるのであれば、通常の住宅向け地震保険だけでなく、家財向け地震保険をセットで加入しておくと良いでしょう。

なお地震保険は年末調整で、所得控除対象支出(上限5万円)になるため加入しないほうが損だと言えます。

保険料そのものは意外と安いので必ず加入しておきましょう。

防災的な自動車任意保険の確認

自動車任意保険は事故に対する保証なので、原則として火事や浸水被害を対象としていません。

車両保険をつけていたとしても、地震や津波はさらに特約扱いとなっていて、水害だけの対応になっていることが多いと思います(実際、地震特約までつけると高額になります)。

対人、対物は無制限、搭乗者は…とまでは考えますが、車両保険がどんなときに使えるのか、高額なのに保証されない範囲はどこからなのかまで知ってから加入しましょう。

ほとんどの人が、保証内容を詳細に知らないまま「エコノミータイプ」や「フルプランタイプ」などといった名前と支払う保険料だけで決めてしまっています。

新しい保険の場合は車両保険に自然災害を対象とするものも多くなってきてはいます。

あなたが加入している自動車保険が、どこまで補償範囲としているのか確認しておきましょう。

傷害保険を防災的視点で確認しよう

傷害保険(医療保険)とは、ケガなどによる入院費や通院費が補償される損害保険のひとつです。

入院日額5,000円、所定の手術費用300万円まで、通院にかかる交通費を補償、なんてものです。なんとなくケガに備えておきたいと思う人は大なり小なり加入していると思います。

しかし、災害によるケガなどが補償されていないことが多いことを知っていますか？

ある有名な保険会社には「災害入院特約」という保険商品があります。災害入院特約をつけていないと、通常の傷害保険(医療保険)では災害によるケガは補償しないということが明確になっていると言えます。

もしも地震で骨折したとしたら、傷害保険で入院、手術、通院にかかる費用を捻出するどころか、仕事を長期間休んだり、場合によっては会社そのものが被災して社員削減をすることもあります。

一度、きちんと自分が加入している医療保険の補償範囲を確認しましょう。補償されていないときは、災害特約をつけるか、保険の代わりに貯蓄するかの選択をすればいいと思います。

せっかく毎月支払っている保険料、一度確認してみませんか。