停電時に備える最小限5ポイント|生活に使う防災グッズ

停電時に備える

停電といえば、災害が夜に発生して視界が悪くなると想像しがちです。
しかし、昼間も停電でさまざまな不具合が発生します。

今回は昼夜を問わず、停電するとどうなるのか、どのように対策できるかについて具体的に解説します。

目次

停電は台風以外でも発生する

停電は台風通過時によく発生しますが、台風以外でも停電が発生します。

停電は台風以外でも発生する

個人的には、地震による停電は阪神淡路大震災と東日本大震災の2回経験しています。台風のような一時的な停電とは違い、夜になると街中が暗闇に包まれ、車のヘッドライトだけが街の一部分を照らしているという不気味な日々が数日から数ヶ月続きます。

以下、停電時の具体的な問題と対策方法を紹介します。

停電による具体的な問題5ポイント

停電になると、電気製品が使えなくなります。これは一般論。

でも、予想もしないところで電気がつかないことで不具合が出ます。

太陽光パネルや蓄電池を備えていない限り、対策可能な問題対策不可能な問題が発生します。

以下、蓄電池などない一般的な一戸建て家屋とマンションやアパートを対象に、停電対策可能な問題をご紹介します。

その1〜停電による断水

停電による断水

電気が使えないこと」は、夜に視界が悪くなるだけではありません。

マンションや学校、病院などの大型施設などでは、水道を受水槽という大きなタンクにいったん貯水し、電気ポンプで圧送しています。

停電で、この圧送ポンプが止まり、断水が起こります。

受水槽が1階にある場合はすぐに断水。受水槽がマンションの屋上などにある場合は、受水槽内の水がなくなった瞬間に水道水が使えなくなります。

停電による断水

病院や一部の災害対策済みのマンション等では、無停電装置(UPSと言われます)を設置していることがあり、電力が使えるようになっている場合もあります。

マンションぐらしの場合は、停電時の断水に備えて、次のような準備をしておきましょう。

断水時の飲料水や調理用水|備蓄水の重要ポイント

断水時の飲料水や調理用水
浄水は1日で水が腐り始めます

口にいれる水は「買っておく」か「水道水を備蓄する」のどちらかです。

買っておくならば、スーパーやホームセンターなどで箱買いしておくと良いでしょう。水道水の場合は、アウトドア用のポリタンクなどに入れて、冷暗所で保管しておきます。水道水なら約3日間は水が腐りません

水道水を備蓄するときのタブーとは?

水道水を防災用に保存するときはそのまま容器に入れて保存してください!

  • 沸騰させた白湯(真水)にしない
  • 浄水器の水は備蓄しない
  • 3日経過したら入れ替える

理由は「カルキが抜けるから」です。

「カルキ」とは次亜塩素酸ナトリウムのことで、プールの消毒で馴染みのあるツーンとした匂いの薬剤です。雑菌の繁殖を抑え込むために、水道水には人体に影響の少ない量が家庭の蛇口から出るように365日24時間監視しています。

カルキがあることで、水道水なら3日間程度は水が腐りません

しかし、浄水器や煮沸してカルキを取り除いてしまうと、「防御力のない水」になってしまい、備蓄できても1日が限界です。

水道水を防災用に保存するときはそのまま保存が正解!

停電の断水時には宅配型ウォーターサーバーが有効

停電の断水時には宅配型ウォーターサーバーが有効

激安のウォーターサーバーを契約しておくのもお勧めです。

ただし防災的には水道水を浄水する「浄水型」ではなく、必ず「水の宅配型」にする必要があります。停電による断水では「浄水型」は使用できません。

宅配型なら、大きなペットボトルの水が手元にあるので、停電でサーバーが動かなくても飲料水が確保できます。

また、高齢者や若い女性の一人暮らしなど、重い水の買い出しが困難な方に宅配型がおすすめです。

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その2〜停電による冷暖器具などの停止

真夏のクーラー、真冬の電熱式ストーブや石油ファンヒーターなどコンセントにつないで使う冷暖房製品はすべて使えなくなります。

停電による冷暖器具などの停止

オール電化の場合、温水給湯器が使えないために真冬でもお風呂に入れなくなります。車中泊をしたくとも、電気自動車なら給電ができないことで、車の冷暖房も使えません。

同様に、真夏に冷蔵庫の電源が入らず、長期間の自宅避難ができないことも。

真冬の暖房がすべて電気製品になってしまっている場合は、せめて暖を取れるキャンプ用品を保管しておくか、古い石油ストーブを捨てずに置いておきましょう。

万が一の場合には、石油ストーブの上で調理することもできます。

石油ストーブを長期保管する場合は、給油タンクが空になるまで使い切ったあと、ホコリを軽く水拭きして乾燥させたあと、乾電池を抜いて袋に入れ、ストーブ内にテープなどで貼り付けて保管しておきましょう。
《参考》株式会社コロナ「暖房シーズン終了にともなうお手入れ方法と保管方法

ちなみにガス給湯器も電力を使って着火いているので、停電時は水しか出ません。

これはマンションも戸建て住宅も同じです。

では停電したら何もできないかといえばそうでもありません。

事前に停電対策をしておくことで、かなり不便が解消できるものです。

防災的観点で停電対策をするポイントは主に3点です。

  1. バッテリー式の家電製品をいくつか持っておく
  2. 電気以外で使える家電製品も用意しておく
  3. 家電製品が使える家庭用蓄電池を持っておく

直ぐにできる停電対策として手軽なものを3つに絞って紹介します。

バッテリー式の家電製品を持っておく

充電することで使える家電を備えておくと、停電時にも問題なく生活できます。わが家の例を紹介します。

バッテリー式の家電製品をいくつか持っておく
USB充電式のセンサーライト。常時点灯もできるので、懐中電灯にもなる
  • 充電式のLEDライト付き扇風機
  • カイロ兼モバイルバッテリー
  • 充電式の人感センサーライト
  • 防犯カメラ
  • ノートパソコン

ノートパソコンは、災害時にも仕事をする必要がある人や災害情報を詳細に知りたい場合に必須です。

人によって持っていないこともあると思いますが、デスクトップパソコンとは違い、浸水災害で自宅避難する場合も2階にすぐ持っていけるという強力なメリットがあります。

もちろん避難所へも持ち込めますし、親戚宅への避難でも持っていけます。

バッテリー式の家電製品を持っておく

これからパソコンを買い替えようと考えているなら、停電対策としてノートパソコンを優先的に検討してください。

テレビが停電で見られなくても、ネットさえ繋がればパソコンでさまざまな情報収集ができます。

スマホのデザリングサービスかポケットWi-Fiがあれば、数時間はパソコンでインターネットが使えます。

ノートパソコンの中古なら、ちゃんとした販売店でもスマホより安い値段で買えます。

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電気以外で使える家電製品も用意しておく

暖房器具では、カセットガスを使う製品が停電対策に有効です。

電気以外で使える家電製品も用意しておく

特におすすめなのは、カセットコンロと兼用のストーブ。暖房にも調理器具にも使えるものです。

カセットガスの注意点は、自宅や車中泊で使うときの換気。これだけは必ず注意してください!

家電製品が使える家庭用蓄電池を持っておく

家庭用蓄電池、アウトドア用バッテリーとして注目を集めているポータブル電源(通称ポタ電)は停電対策として非常に有効です。

ポータブル電源(通称ポタ電)

価格は10万円超えのものがほとんどですが、有名メーカのものなら15年は使えるのが現時点の標準的な耐久年数。

個人的には、国が補助金を出してでも各家庭に必要な災害対策だと思っています。

なお、ポータブル電源選びは車選びに似ていて、家族構成使用したい能力によって選びます。

夫婦二人暮らしなら軽自動車、6人家族ならワンボックスというように、パワー容量で選びましょう。

家電製品が使える家庭用蓄電池を持っておく

ご興味があれば、以下の関連記事もご一読ください。

その3〜インターネット環境が停止する

インターネット環境が停止する

Wi-FiルーターやONUなどのインターネット関連の機器も、停電時には機能しません。

光回線に依存している、ひかりTVやひかり電話なども使えなくなります。

もちろん、街のフリーWi-Fiも停電時は機能しません。

災害時はネットでの情報収集、安否連絡などが不可欠です。

パソコンを使用するならば、モバイルWi-Fiを使用するか、スマホのデザリング機能があれば使えます。

わたしは災害時にパソコンで業務をする立場なので、スマホのデータ通信は無制限、デザリング機能もオプション契約しています。
あなたも災害時に仕事上パソコン使用が必須の場合は、通常時からモバイルWi-Fiを使用しておくことをお勧めします。

最近は基本契約無料で、使用したいときだけ数GB購入するといった固定費のかからないタイプのポケットWi-Fiがあります。

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長期旅行時や帰省時にも使用できるので普段遣いにも便利です。

わたしの場合は、ソフトバンクのギガ無制限プランにしておりデザリングが30Gまで無料で使えるようなプランを選んでいます。

その4〜無停電装置がついていない機器も停止する

マンションの防犯カメラやオートロックなどは、ある程度なら無停電装置という機器から電力が供給されます。

しかし、戸建て住宅で自分でつけた防犯カメラやスマートロックなどは停電とともに作動しなくなります。

ソーラー発電タイプか、モバイルバッテリーで充電できるタイプの機器を選びましょう。

その5〜広範囲な停電では町中が機能停止する

広範囲な停電では町中が機能停止する

広範囲な停電の場合、具体的には次のような現象が起こります。

  • 信号機や街灯が消えている
  • コンビニのレジが動かない
  • 自動販売機が消えている
  • ガソリンスタンドで給油ができない
  • ATMが消え現金が引き出せない

とにかく「街に出る」「避難所へ向かう」ことが危険になります。

広範囲で停電が発生した場合は、二次災害を避けるためにも、自宅にいる方が安全です。

懐中電灯の置き場所を決めておく《防災ライフハック》

懐中電灯の置き場所を決めておく《防災ライフハック》

夜に停電が発生した場合、懐中電灯やスマホのライトが役立ちます。

しかし、懐中電灯を玄関先やキッチンに置いていたり、寝るときにスマホを手の届かない場所で充電している人は防災的には要注意です。

真っ暗闇の中、手探りで懐中電灯やスマホを探すのは至難の業です。地震による停電の場合は、足元に割れたガラスや陶器の破片が散らかっていたり、飲み物や水槽の水が床を濡らしている場合なども気づくことができません。

台風のように停電が予想される場合は準備できますが、地震や落雷などによる停電は予測できません。

真っ暗闇でも間違いなく明かりを手に取れるように、スマホはベッドの近くで充電すること、

懐中電灯は寝室の近くのどこか決まった場所へおいておきましょう。

100円ショップで売っているような手のひらサイズのLED懐中電灯ならベッドのそばに置いていてもじゃまになりません。ベッドサイドテーブルやドレッサーの引き出しに入れておくこともできます。

懐中電灯やスマホなどライトが付くものを、必ず寝室のそばに置いておきましょう。なお、同居している家族の人数分用意しておき、両親や子供部屋にも用意しておくと安心です。

逆に、枕の下において寝るのはおすすめしません。

少なからずスマホは電磁波を常に受発信しているため、脳への影響が懸念されており、スマホメーカも注意事項として明示している場合があります。

モバイルバッテリーは複数台用意

モバイルバッテリーはいろんなタイプが売られています。

モバイルバッテリーは複数台用意
いま手元にあるものだけでも5種類くらいありました

スマホ1台を1回満充電にするだけなら軽量なものがベストですが、停電の避難用に少し容量の大きなモバイルバッテリーを別に持っておくと安心です。

ちなみに、ノートパソコンへの給電ができるモバイルバッテリーは、スマホ用のものよりもハイパワーでないといけません。たとえば、20wのようなものではなく、65wや100wレベルのものです。

停電対策にはカセットコンロを常備したい

アウトドアや、鍋料理など普段遣いできるカセットコンロは防災グッズとして優秀です。

本体は5,000円前後で購入でき、長期間使えてなかなか壊れることはありません。

カセットガスは100円ショップでも買えるので、お財布にも優しい停電対策になります。

車のガソリンは半分以下にしない|防災の基本

車のガソリンは半分以下にしない|防災の基本

東北大震災で、ガソリンの供給が不足したことは皆さんご存知かと思います。真冬の避難では、暖房が使える車中泊を選択する人が増えるため、ガソリンスタンドに長蛇の列ができ、直ぐに完売。

道路も地割れなどによりタンクローリー車が補給に来られなくなっていました。

台風の接近前はもちろん、いつ発生するかわからない地震。

車を所有している場合、冷暖房や発電、移動手段としてガソリンは常に半分以上を保っておいてください。

日常的に車を使うなら、満タンにしておくことをおすすめします。

冷凍庫の中身は保冷バックかクーラーボックスへ

冷凍庫の中身を保冷バックかクーラーボックスへ

停電で冷蔵庫、冷凍庫も機能しなくなります。

痛みやすい食材から先に消費、冷凍庫にあるものはすべて保冷バッグかクーラーボックスへ移しましょう。

冷凍ものを保管するときは、可能な限りぎゅうぎゅうに詰め込んだほうが溶け出すまでの時間を稼ぐことができます。

停電時の予備知識

停電はいつ発生するかわかりません。いつ回復するかもわかりません。

停電になったらどのように行動するべきかをあらかじめ家族間で相談しておくのがおすすめです。


停電で水道が止まる

冒頭でお話したように、マンションなら停電すると受水槽から水を送水するポンプが動かないので、断水になります。

戸建て住宅の場合は通常の水圧で水道が使えますが、電動式ウォーターサーバーやウォシュレット、半地下の駐車場の排水ポンプなどは使えなくなります。

最悪、近くの公園に水を汲みに行くなどしてお風呂に水を張っておくと、体を拭いたりトイレを流すくらいの生活用水をまかなえます。ただし、一家庭が長時間占領するような事があれば、別の公園へ向かうほうが懸命です。負けて得する、ではありませんが、冷静に有利な判断をしましょう。

ちなみに、消火栓の水も水道水です。自治体の判断で、消火栓から取水した水を飲料水として給水活動を行うことが一般的です。

給水活動が始まるまでは3日ほどかかります、家族で水をどのように使うか相談しておきましょう。

狭い範囲の停電ならホテル避難も有効

狭い範囲の停電ならホテルへ

停電エリアが自宅周辺のみなら、数日だけ停電エリア外のホテルで過ごすこともおすすめです。

特に独身の人や、子供連れの場合は有効です。何より完全に手ぶらで避難が可能です。

ただし自宅外避難する場合は、先述の通り「冷凍庫のものは保冷バッグかクーラーボックス」へ入れてから避難しましょう。

溶けた水でキッチンが水浸しになってしまうことを避けるために必須です。

停電復旧、ブレーカーを入れるときは少しずつ

停電復旧、ブレーカーを入れるときは少しずつ

停電になると自動的にブレーカーが落ちるものがあります。

電気が復旧したあと、ブレーカーを一度に入れてしまうと、電化製品へ急激に電力を送ることになり、場合によっては電気火災につながることがあります。

ブレーカーをONにするときは、一つずつ進めてください。

まとめ〜停電になってからでは何もできない

停電になってからでは何もできない

停電は、ほぼ送電線のトラブルが原因です。

山火事や地震による停電は予測困難ですが、台風に限ってはあなたも「もしも停電したら」と考えたことがあるのではないでしょうか?

一生のうち何回かは停電に遭うと思います。

一人の時、家族といる時、仕事中の時。

停電対策はいつでもできるので、ついつい「また今度」と先伸ばしてしまいがちです。

解説してきた具体的な停電問題のうち、いくつかは今週中にでも対策可能な簡単な内容です。

ちょっと本気を出して、停電時の対策をして、災害に備えませんか?

少しでも防災準備を進められることを願います!

今回は、今すぐできる停電対策の防災知識でした。お役に立てれば幸いです。

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